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大手グローバル企業 チューリッヒ生命のダイレクトチャネル拡大 戦略

2023/03/31

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本記事のサマリ

今回は、スイスに本社を構え、世界200以上の国と地域で、生命保険・損害保険等のビジネスを展開しているZurichグループの日本法人である、チューリッヒ生命保険株式会社、ダイレクトマーケティング本部 本部長の大矢剛氏に、弊社代表東野がインタビューさせていただきました。 コロナ禍を契機に高まった非対面・非接触ニーズに対応するため、生命保険各社ではオンラインによる募集活動、契約・保全、支払い手続きの導入やその利用範囲拡大に取り組む動きがあるなか、チューリッヒ生命でもダイレクトチャネルでの増収にむけて取り組みを強化することになりました。その際、弊社マッチングサービスであるProConnect(プロコネクト)登録人材のフリーランスを採用いただいており、今回は、現在も進行中のプロジェクトの経過についてお話を伺いました。

プロフィール

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大矢剛 氏

ダイレクトマーケティング本部 本部長

外資系生命保険会社を中心に、25年以上にわたってダイレクト・マーケティングを担当。デジタル広告やTVCM等を使ったD2Cから、CRM(既存顧客向けマーケティング)まで、ほとんど全てのダイレクト・マーケティングの領域で豊富な経験を持つ。2021年にチューリッヒ生命入社。

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東野智晴

イーストフィールズ株式会社 現)株式会社WorkX 代表取締役

2009年に東京海上日動に入社し、IFRS対応プロジェクト に従事した後、ベイカレント・コンサルティングにて マーケティング・セールス領域の改善を中心に支援。当時、夫婦で子育てしながらも会社や時間に拘束される働き方に課題を感じたことを機に、すべての人に自由な働 き方を提供したいと考え、2018年にイーストフィールズ 株式会社を設立。
 

 

ダイレクトチャネル拡大への経緯と課題抽出


東野:今回のダイレクトチャネル拡大、デジタルマーケティングでの顧客獲得に取り組まれた経緯について教えてください。
 
大矢:コロナ禍でインターネットを通じた手続きのニーズの高まりを背景に、2020年の年度末から2021年にかけて非対面チャネルの拡大を計画していましたが、思うような結果を出せていませんでした。
計画未達の原因究明と計画修正が必要になり、ダイレクトチャネル拡大プロジェクトを立ち上げ、その事業責任者として私がアサインされました。その際に、以前にも支援いただいていた御社に相談し、プロコネクトのフリーランスの方に参画いただきました。
 
東野:実際にダイレクトチャネルが伸び悩んでいた原因は何でしたか。
 
大矢:結論から言うと、デジタル上での集客とコンバージョンレートが主な原因でした。
 
東野:なるほど、どのようにその2つの原因を特定したのでしょうか。
 
大矢:まずは、ダイレクトビジネスのプロセス全体の可視化に着手しました。この作業を行う上では、ビジネスアナリストの経験があるとスムーズに進めることができることもあり、御社登録のフリーランスの方に依頼することで、課題の特定をスピーディーに行うことができました。
 
東野:大矢様はダイレクトビジネスでの経験が豊富であるので、改善プロセスも明確にイメージできていたと思いますが、やはり、フリーランス人材の投入によって推進できた部分は大きかったでしょうか。
 
大矢:2021年に入社した段階ではKPIの可視化が十分にできていない状態でしたので、さまざまなデータをつなぎ合わせて可視化し、問題のあるプロセスを特定する、という最初のステップをいかに短期間で実施できるかが非常に重要でした。
このプロセスにおいて、フリーランスの方にサポートいただいたことで、短期間で取るべきアクションを明らかにできたのは、やはり非常に大きかったと思います。
加えて、データ量が多く、データソースも複数にわたるため、スピード感を持って時系列にプロットできるスキルをお持ちの方にサポートいただけて、たいへん助かりました。
保険のダイレクトビジネスという領域自体は経験がなかったようですが、知識の吸収が速く、こういう切り口で分析したいとリクエストすると、即座にリクエストに沿った形で対応いただいたので、私としては非常に助かりました。
 

新たな戦略策定へ

 
東野:課題抽出後のダイレクトチャネル戦略として、以前と比較して違う点はどこにありますか。
 
大矢:ダイレクトチャネルでやるべきことはどこも同じようなことだと思いますが、やはり限られたリソースで成果を出すために、注力分野を絞ることが重要だと考えています。
例えば、10のプロセスを満遍なく改善するよりは、10のうち、とくに改善すべき2つを特定し、リソースを集中させた方が、結果が早く出せると思います。
また、抽出した課題に対しての改善は、外部からの方が数値を客観的に見られるメリットがあると思います。
やはり、ずっと社内でやっていると、過去の経験から、これまでのやり方を大きく変えたり、これ以上改善しないという思い込みがあったりもするため、思い切った改善がしづらいのは否めないと思います。
 
東野:過去のご経験から、伸びしろがあると判断できるベンチマークが大矢さんの中でおありですよね。
 
大矢:そうですね、ダイレクトビジネスの重要KPIや適正な水準は理解しているつもりです。経験上、数字をみて客観的に疑問を持てるということはあると思います。

東野:抽出された課題の改善については、具体的にどのように取り組んでいかれたのでしょうか。
 
大矢:分析・計画フェーズから2021年9月には改善施策の実行フェーズに移行しました。その際に、社内のPMO部署と協業するかたちで、今度はフリーランスの方にプロジェクト管理のサポートもしていただくことで、関連部署を巻き込みながら着実に施策を実行することができました。
 

苦労されたこと

 
東野:実行にあたって、一番苦労された点は何でしょうか。
 
大矢:数字の可視化がダイレクトビジネスの根幹であるにも関わらず、当時は社内のデータソースが整備されていなかったため、必要なデータが取れない/合わないなどから、確認したい数値を見られるようにするまでは苦労しました。
 
東野:データが異なるとそれぞれの範囲や定義も違うので、一気通貫で数値を集計するのに苦労するのはどの会社様も同様ですよね。
数字が整理された後は、順調に進んだのでしょうか。
 
大矢:一つの打開策で、ある日突然、劇的に効果が出たりはせず、PDCAをまわしながら細かい改善を積み上げていくことが必要です。実際のところ、それがどれくらいの回数を経て結果が出るかなど、見込みが立てにくい点はありますので、ベンチマークに向けて改善している事実を頻繁に共有していくことが重要でした。ここでもフリーランスの方に状況を可視化してもらい、我々のやっていることを客観的に数値で分析してもらえたのは良かったと思います。

東野:ここでのフリーランスの貢献としてはいかがでしょうか。
 
大矢:クオリティとスピードはプロフェショナルならではのスキルだと思っています。
今後のステップとしては、社員が誰でも扱えるようなデータ構成やレポートにしていくことだと思っています。
 
東野:確かに誰でも使えるように仕組み化する必要がありますよね。
 
大矢:今までなかったものを作り上げるケースに際し、細かい作業を含めて短期間で仕上げる必要がある部分では、フリーランスの方に貢献していただきました。
今後はそれを仕組み化することで、一定のスキルをもったものであれば誰でも使えるものにしていかなくてはならないと考えています。
初期のスピード感持った分析から、仕組み化して運用にまで落とし込むことができるフリーランス人材というのが、御社の強みだと感じています。

最後に

 
大矢:今回ご協力いただいたフリーランスの方は、以前他部署で働く姿を拝見していて、非常に優秀な方だと感じ、今回お願いするに至ったのですが、まさに期待どおりにサポートいただいています。
 
東野:ありがとうございます。弊社のサービスProConnectについて、コメントをいただけますでしょうか。
 
大矢:人材のネットワークが多様であることが魅力的だと思っています。
現在必要な人材を、特定の領域だけでなく相手企業の必要な人材に合わせて複数人紹介できることが御社の強みであると感じています。
 
東野:現在3,500人のフリーランスの方に登録いただいています。コンサルタントのジャンルはほぼ網羅できているのではないかと思っております。
 
大矢:外部リソースをお願いする際に、2つの視点があると思っています。1つ目は社内で補えないような特殊スキルが必要なケースです。
2つ目は、社員でも対応できるけれども、たまたまその人材を配置できない、あるいは正社員として雇用するうえで、業務内容を常駐化させるか判断に悩む場合です。御社では、両方の領域をカバーしつつも、比較的後者の方に柔軟に対応いただけているところが、依頼しやすいと感じています。
 
東野:ありがとうございます。ProConnectの特徴として依頼いただく企業さまと長きにわたってお取り組みさせていただいている実績がございます。その点は、まさに仰っていただいたとおり、あらゆる領域を網羅しているため、事業の状況に合わせて、必要な時期に必要な人材をご紹介できているからではないかと感じております。


業種名

生命保険業

企業規模

従業員数371名(2022年12月末時点)

※取材当時の情報となります

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